大江戸神仙伝シリーズ

石川英輔 著 大江戸神仙伝シリーズ

 

大江戸神仙伝

大江戸仙境録

大江戸遊仙記

大江戸仙界紀

大江戸仙女暦

大江戸仙花暦

大江戸妖美伝

 

 

  年末から年始にかけて再読していました。拾い読みです。

シリーズ第一作「大江戸神仙伝」の初版は1979年で、文庫本は24刷(2009年当時)、長寿命シリーズですね。

 拾い読みの理由は、江戸が大変良くて、現代は環境、食品の味という点で良くないという記述があまりにも多いためです。この部分を端折ります。

 

 物語の筋は、独創的で大変面白い。

科学評論文筆家である速水洋介は、大手出版社の女性編集者 流子 と打ち合わせ中に突然、文政五年(1822年)の江戸に放りだされる。幸い、当時の進歩人である医師 涼哲に助け出される。江戸の病、脚気を、糠から抽出したビタミンで治療し、富を得る。さらに 「いな吉」 という芸者を江戸での愛人とする。三か月後、また急に東京に戻る。江戸へは行けない。流子と結婚する。

二年後、(江戸では文政七年)、池上ゆみという年配の女性から手紙を貰う。そして「いな吉」からの手紙を受け取る。彼女は江戸と東京を行き来している!彼女から、東京には流子という素敵な妻がいるのに、江戸には年若い芸者の愛人がいることで嫌味を言われる。その半月後、江戸に行けなかった洋介は、ゆみと同様に江戸に行き来できるようになる。その二か月半後に「いな吉」の盲腸摘出手術をした直後に、江戸へ行く能力を失う。ここまでが第二巻である。

更に二年後、(江戸では文政九年)、江戸へ行き来できる能力が回復する。ここでは、妻とのセックス中に、愛人である「いな吉」と体が入れ替わる経験をする。

翌年、(江戸では文政十年)、洋介はロンドンに出張する。出張中に文政十年当時のロンドンへ行ったため、江戸と東京を行き来する能力が変化し、江戸に行こうとすると文政五年、江戸に行けなかった頃の江戸に着いてしまうになる。文政十年の江戸へは別の洋介が行っている模様。文政五年の江戸へ行く洋介と文政十年の江戸へ行く洋介がいる。

 

 第七巻目のあとがきで著者は、第八巻目を執筆中(2009年)と書いているが、それからもうかなり経過している。

 

 

 

 

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