上田秀人 著 波乱 (百万石の留守居役-1-)
思惑 (百万石の留守居役-2-)
大変面白い。奥右筆シリーズを打ち切り、この百万石の留守居役シリーズを始めた意気込みが感じられる。ただ、茶坊主、由井正雪の説明等一度書いたことを何度も繰り返し書かれているのが気になる。
これまで著者は四代将軍徳川家綱から六代将軍徳川吉宗までの間の小説が多かったが、これも家綱の時代である。反対に、これまで徳川家の直臣が主人公が多かったが今回は副タイトルからわかるように、陪臣の話になる。
主人公 瀬能数馬は、加賀藩士で千石取りだが無役同然である。金沢で藩の重臣 前田直作(1万2千石)を助けた事から、前田直作を警護して江戸まで行くことになる。その際藩で一番の重臣である本多政長(5万石)に呼び出され面談する。この時本多長政の娘 琴に気に入られ婚約する。ここまでが第一巻である。
瀬能数馬は、前田直作を警護し、無事江戸につく。藩主前田綱紀に呼び出され留守居役に任じられる。長屋に帰った数馬を迎えたのは、琴の女中 佐奈である。(多分、この佐奈は忍びだ。鉄砲を撃った射手を毒矢で殺したのは彼女だと思う?)ここまでが第二巻である。
早く第三巻目が読みたい。これまでの例だと半年先か?
ここにきてやっとタイトルの意味が分かる。主人公が留守居役になるのである。琴は江戸にでてくるのかな?琴は一筋縄ではゆかぬ女性のようだからこれも楽しみ。
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